男に頼りたい。困った時に助けてほしい。
でも、女の人生は女のもの。
女はわがままな生き物——そして、わがままでいい。
そうじゃないと、女はすぐ「頑張りすぎる」。
頑張りすぎると、輝きが呪いになる。
勝手に動き回って、勝手に疲れて、最後に大爆発する。
そんな無限ループを、私は見てきた。
不器用だけど、愛おしい女性——それが母だった。
だから私は、母のために“気楽に生きる”と決めた。
このブログは、母と、いつか母になるかもしれない娘のためにある。
結婚したとき、私は大手町で事務職をしていた。
仕事は退屈だった。
今考えると、単純に私には向かなかっただけなんだけど、当時はまだ若かったせいか——
この状態が永遠に続く地獄で、私は何かの罰としてこれに耐えなければならないのだと、人生に絶望していた。
そんな時、夫と出会った。
恋愛の延長に結婚があると思い込んでいた私にとって、彼に対して抱いた感情は完全に予想外だった。
数学の問題が解けなくて、何日も試行錯誤して——
あるときふと「あ……分かった」となる感覚みたいに。
30を過ぎて婚活に苦戦を強いられていた私は、心底うんざりしていた。
「なんでそもそも“結婚”なんてしないといけないのさ!」
仕事してるし(退屈な地獄だけど)、1人で生きていける。
いや、1人で生きていこう。
そう決めていた。
彼で婚活は終わり、そう心に決めた。
初対面で猫を被るのも面倒だから、せっかくの日曜の昼下がりなんだし、一緒にビールでも飲みに行こうと私から提案した。
鼻から気に入られようなんて思っていなかった。
いつも行くブリティッシュバーで、私は盛大にまくし立てていた。
自分の話したいことを、呼吸するようにベラベラと。
そして、そんな私をニコニコしながら見ている彼の顔を見て、その瞬間——
「あ、この人と家族になるんだ」と悟った。
いつもの“恋の始まり”じゃな〜〜〜い!
けれど、あの時の安堵感は今でも鮮明に思い出せる。
結婚して8年経った今でも、彼の顔を見ると感じる絶対的な安心感。
恋ではないけれど、他人に対して初めて抱いた感覚だった。
あの日以降、とんとん拍子で結婚が決まり、ある冬の晴れた日、私たちは明治神宮で挙式した。
その時、私は娘を妊娠していた。
妊娠が分かった時から、会社勤めがさらに苦痛になった。
悪阻のせいで常に発熱と倦怠感があったので、それを口実にして挙式後に退職することにした。
夫は当初、共働きを想定していた。
けれど、一馬力になっても経済的には問題ないことを私が説明して、「それなら」と快諾してくれた。
そんな風にして、運命の出会いから1年。
私は晴れて“専業主婦という名のニート”になった。
そして、そこから——また何かが始まった。
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